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労働組合の政治活動をどう考えるか

 労働組合が政治活動を行うことの是非について考えたい。私は記事「原水爆禁止国民平和大行進、東京から出発」で、労働組合が核兵器廃絶を求める行進に参加していることを紹介した。

http://www.ohmynews.co.jp/news/20080510/24838

 この記事に対して未登録コメント欄では、労働組合が政治的な運動に関与することは労働組合の目的に反しているのではないかとの声が寄せられた。また、他の記者からも同種の問題意識を持って記事を書き、話題になった経験があるとのコメントをいただいた。そこで、労働組合が政治活動を行うことの是非について考えてみたい。

労働者の権利守るための政治活動

 結論を先に書くならば、労働組合が政治活動を行うことは労働組合の目的に合致しうると考える。労働組合の定義は労働組合法第2条で規定されている。即ち「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」とするものだ。

 ここでは「労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ること」を目的とするのみで、どのような手段によって目的を実現するかは制限していない。労働条件を改善するためには使用者と団体交渉を行い、賃上げなり労働時間短縮なりを勝ち取るのがオーソドックスな活動となるが、それに限定されない。


労組の政治活動は目的に合致している(ロイター) 例えば最低賃金を上げる、労働時間を制限する、というような法律の制定を働きかけ、それによって労働条件を改善させる方法も一案である。そのための政治活動ならば、労働組合の目的に合致する。

 実際問題としてホワイトカラー・エグゼンプションのように法律によって労働条件が激変してしまう場合があり、それは使用者との団交では解決できない問題である。労働組合が政治活動を行うことは必然とさえ言える。

 また、労働者の権利は日本国憲法によって保障されたものである。憲法で保障された権利がなくなれば、労働組合の存立基盤さえ脅かされる。日本では欧米諸国と異なり、労働組合の法的承認は労働者による長い闘争を経て勝ち取ったというよりも、日本国憲法の成立によるところが大きい。よって日本の労働組合が憲法についての議論に敏感になるのは当然で、労働組合が護憲運動と結びつくことは自然の成り行きである。

 加えて戦争と労働者の経済的地位向上は両立しがたい。戦争は市民生活を破壊しうるものである。戦争中は戦争の遂行が優先され、労働者の経済的地位向上は望めない。日本は十五年戦争における総力戦で身をもってそれを経験した。従って労働組合が反戦・平和運動に同調するのも当然である。

 以上より、労働組合が政治活動、しかも労働問題とは関係が薄そうな護憲運動や平和運動にまで取り組むことは、労働組合の目的に合致しうると考える。

組合員の主体的取り組みも重要

 一方で労働組合の政治活動に否定的な意見が少なくない理由として優先順位の問題がある。

 政治活動が労働組合にとって意義のある活動であるとしても、他に優先すべき活動があるのではないか、という問題は残る。労働組合のリソースを政治活動にばかり配分し、他の活動が疎かになっているのではないかとの問題意識である。その結果、使用者には逆らわず、賃上げ交渉は行わない、リストラがあっても雇用を守らない組合では本末転倒である。

 ここにおいて労働組合法の定義に戻る。条文で「労働者が主体となって自主的に」と規定している点がポイントだ。労働組合が政治活動をすること自体は問題ないが、「労働者が主体となって自主的に」行うものでなければならない。政党の集票マシーンとなるような活動は労働組合の目的に反する。

 そして、労働組合の政治活動に批判的な立場も、この点を問題視していると考える。職場ではサービス残業やパワーハラスメントの問題があるにもかかわらず、労働組合は改善しようと努力していないのではないか。それでいて政治活動だけは熱心で、組合員を動員のための駒としか考えていないのではないか、との問題意識である。

 これは組合員と組合執行部の意思の乖離の問題だ。組合執行部の方針が組合員のことを考えた内容になっていないことからくる問題である。これに対しては組合員が組合執行部の方針を正しい方向に変えていくしかないと考える。

 労働組合は民主的な組織であることが法律によって規定されている。労働組合法第5条第2項では「単位労働組合にあっては、その役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること」と定める。従って組合執行部の方針に不満があるならば、組合員として発言し、方針を変えていくことができる。また、別の組合に加入することや自ら組合を立ち上げることも選択肢として存在する。

 現存の労働組合の活動に不満があるとしても、それ故に労働組合の意義をも否定してしまうことは建設的な姿勢ではない。執行部任せではなく、労働組合員一人一人が主体的に組合活動に取り組むことが正しい労働組合のあり方であると考える。

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ホワイトカラーエグゼンプション(または、ホワイトカラーイグゼンプション、英:white collar exemption、ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度)とはいわゆるホワイトカラー労働者(主に事務に従事する人々を指す職種・労働層)に対する労働時間規制を適用免除すること、またはその制度。
各国の労働法制において、労働時間の規制がなされていることを前提としてその規制の適用を免除し、または例外を認めることで、労働時間の規制を緩和することをいう。狭義には労働時間そのものに関する規制についての緩和を指すものであるが、労働時間規制に付随する規制として、労働時間に応じた賃金の支払いの強制や、一定の時間を超えた超過時間についての割増賃金の適用義務化などが設定されていることから、広義にはこれらの適用の免除についても本制度の範疇として理解される。
なお、exception(例外)との混同かホワイトカラーエグゼプションと書かれる場合もあるが、英語表記はexemptionである。

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