「残業代払え」名ばかり管理職110番
肩書きは部長や課長となっているのだが、権限もなく残業代も出ない「名ばかり管理職」の電話相談が11日、日本労働弁護団の主催により行われた。
http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802110611/1.php
「名ばかり管理職」とは、労働時間の適用除外を定めた「労働基準法第41条」を経営者が都合の良いように拡大解釈したことから生まれた。シフトに組み込まれて際限なく残業を強いられる彼らは、労基法41条が規定する『監督、管理者の地位』にはない。経営者は労基法違反である。
「総評会館」(東京・神田)の労働弁護団事務局に設けられた10台の特設電話は午前10時の受付開始と同時にひっきりなしに鳴った。20人の弁護士が交代で相談に乗った。
相談者のほとんどは「残業代はもらえないものだ」と思い込んでいる。
寄せられた相談のうち代表的なものは以下の通りだ。
▼介護事業の会社で「課長職」という30代の男性は、午前8時から深夜2時まで働く。管理職ということで日曜日以外休みはない。残業代は払われない。自分は退職したが、かつての同僚たちが過労死するのではないかと心配。
▼建設会社で現場監督として働いていた40代の男性は、残業時間が多い月で110時間、少ない月でも70~90時間もあった。先月、過労自殺。妻が相談電話をかけてきた。
▼都内のファミレスで店長を務める40代の男性は、ひと月の残業時間が100時間を超える。しかし経営側が退勤のタイムカードを押させた後で、残業させるので残業代は支払われない。労働弁護団によれば、よくある手口という。
▼ガソリンスタンドで所長代理を務める30代の男性は、ひと月の残業が50~60時間になるが、残業代をもらえない。しかも給料は額面で20万円。
相談者のほとんどが、自分は「管理職」なので残業代はもらえないと思い込んでいるのが、特徴的だ。
「あなたは管理職ではない」などと説明する弁護士。
労働弁護団の棗一郎弁護士は「入社して日が浅い若者を『管理職』にするのが最近の傾向。『名ばかり管理職』制度をとる業種はまんべんなく広がっている」と話す。
「名ばかり管理職」をめぐっては、マクドナルドの店長が管理職扱いされて残業代をもらえないのは労基法違反として、会社に残業代の支払いと慰謝料を求めている裁判が起きている。
東京地裁は先月28日、「職務の権限や待遇から見て店長は監督・管理者にあたらない」としてマクドナルドに755万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
この判決を受けてコンビニ最大手の「セブンイレブン・ジャパン」は、直営店の店長に残業代を払うことを決めた。「名ばかり管理職」の違法性、反社会性を問題視し改善する企業も現れている。
だが、財界全体としてはそうではないようだ。安倍内閣が打ち上げた政策に「ホワイトカラー・エグゼンプション」というのがあった。これは労働基準法を改悪して「名ばかり管理職」を合法化しようというものだ。
労働弁護団によれば、財界、自民党、厚労省は「ホワイトカラー・エグゼンプション」の実現をいまだ目指している、という。
(田中龍作)