今年の収穫~『肩書だけの管理職・マクドナルド化する労働』
北@出版ネッツです。
http://www.labornetjp.org/news/2007/1198330584215staff01
新聞書評欄などに「今年の収穫」といった特集が載る季節になりましたが、私が読んだなかで抜きんでて良かった本のひとつは、安田浩一さんが書いた『肩書だけの管理職 マクドナルド化する労働』(旬報社、1300円+税)です。
マクドナルド、すかいらーく、セブンイレブン、コナカ…。近年急成長した花形業種の第一線で活躍する店長、支店長が、どんな働き方をしている(させられている)かの克明なルポも価値の高いものですが、それより何より、いったい労働組合というものは何のためにあるのかが当事者たちの身体から発する言葉で浮き彫りにされている点が感動的です。一応は私も安田さんと同業なのですが、負けた、というか、こういう本をいずれは書けるようになりたいと率直に思いました。
序文で斎藤貴男さんがふれているコナカの労組の話もそうですが、すかいらーくの話も胸打たれました。
本書の副題にも関連するマクドナルドの店長、高野さんの裁判は私も傍聴しましたが、証言、とくに子どもに言われた言葉(本書では14ページ)を聞きながら涙がこぼれました。会社に過労で殺される前に組合と出会い、ほんとうに良かった。高野さんのあゆみも、説得的に活写されています。
いわゆるホワイトカラーエグゼンプションは財界に加え米国からの強い要求で導入が図られ、ここ数年の焦点になっているわけですが、マクドナルドは日本の法律に反して、すでに店長をエグゼンプションしているともいえます。
1月28日には、東京地裁で高野さんが起こしたマック残業問題訴訟の判決が言い渡されます(午前10時~、710号法廷)。こちらにも注目したいと思います。
北健一(ジャーナリスト/出版ネッツ)