Top >  1残業代ゼロ関連記事 >  格差は是正できるか

格差は是正できるか

 7月5日に閉会した通常国会は、ビジネスパーソンの働き方にかかわる多くの問題が議論される国会だった。政府は、雇用ルールを見直す6つの法案を提出。そのうち、正社員とパートの平等な処遇を図るパートタイム労働法改正案などが成立。しかし、焦点となった3法案……最低賃金法改正案、残業代の割増率を引き上げる労働基準法改正案、新法となるはずだった労働契約法制定(解説はこちら)……は成立しなかった。今秋に審議がずれこむことになる。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/cover/bigbang/070827_1st/

 ビジネスパーソンの大きな注目を集めたがゆえに、 政府が法案化を見送った制度もあった。一定条件を満たす会社員を労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」だ(関連記事「ホワイトカラー・エグゼンプションは『残業代ゼロ』ではない」。「残業代ゼロ制度になる」との危惧がビジネス界に広がった。

 先の国会で成立しなかったこれらの制度は、立ち消えになったのか──。ルポライターの荒川龍氏がキーパーソンを直撃した。労働問題の専門家である中野麻美・NPO法人派遣労働ネットワーク理事長、高梨昌(あきら)・信州大学名誉教授、後藤田正純・衆議院議員の各氏。経済財政諮問会議で働き方の制度を議論する労働市場改革専門調査会のメンバーである八代尚宏・国際基督教大学教養学部教授に登場していただく。「本当のところはどうなのか」を6回の連載でお送りする。(編集部)

「労働ビッグバン」には二つの定義がある。

ビッグバン反対の立場をとる専門家は「労働市場の規制緩和や撤廃による改革」といい、推進の立場をとる専門家は、「労働市場の旧い規制から新しい規制への抜本的な改革」と考えているからだ。

そもそも、昨年12月に内閣府に設置された経済財政諮問会議が、「労働ビッグバン」構想をテーマとして取り上げ、注目を集めることになった。

当初の目的としては、「多様な働き方を実現する」、「転職やステップアップのしやすい労働市場をつくる」、「不公正な格差を是正する」の3点が挙げられた。さらに、「グローバル化に対応する労働市場のあり方」といった要素なども盛り込まれていた。

その「労働ビッグバン」構想でメディアがもっとも注目したのが、「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション(以下、エグゼンプション)」。経済財政諮問会議のメンバーであり、「労働ビッグバン」の推進者でもある八代尚宏・国際基督教大学教養学部教授は、これを管理職以外のホワイトカラー層を対象とした「残業代定額払い制度」と主張した。

しかし、多くのメディアは、管理職以外のホワイトカラー層を対象に、人件費を抑制するための「残業代ゼロ制度」と報道。成果主義の導入によって既に蔓延(まんえん)している長時間労働やサ―ビス残業を助長するのではという大きな論議と懸念を呼ぶことになった。ちなみに、「エグゼンプション」とは、英語で「免除」や「除外」という意味。

スポンサードリンク

         

1残業代ゼロ関連記事

時間外労働(じかんがいろうどう)とは、労働基準法上においては、法定労働時間外の労働のこと。通常は、就業規則などで定められた労働時間を超えて労働すること。同じ意味の言葉に、残業(ざんぎょう)、超過勤務(ちょうかきんむ)がある。

関連エントリー

“早飯業界”のゆとり競争 今、若者にウケる「蟹工船」 貧困に負けぬ強さが魅力? 㣇B ㍤ 「家庭だんらん法」に言い換え指示=「残業代ゼロ法」で舛添厚労相 長時間労働で残業代ゼロ“名ばかり”管理職、実態は? 「残業代ゼロ」で早く帰る? 働けど貧困 『日本をだめにする40の悪法』出版記念トークセッション 残業代ゼロは誰のため(1)ホワイトカラー・エグゼンプションの影響 「残業代出なかったら、さっさと帰る」舛添厚労相が持論 厚労相、WE改め「家庭だんらん法に」 「家庭だんらん法」に言い換え指示=「残業代ゼロ法」で舛添厚労相 格差は是正できるか 賃金へ成果還元せず