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御手洗経団連1年 体制整い「希望の国」実現へ

日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)が、23日に開かれる総会で会長就任以来ちょうど1年となる。前会長の奥田碩氏(現トヨタ自動車取締役相談役)は小泉純一郎前首相との“蜜月関係”で構造改革を推進し、日本経済の再生に尽力した。後任の御手洗氏も官民一体となった経済成長重視の路線を継承した。その象徴が官民一体となった各国への経済ミッション(使節団)の活発化だ。2年目を迎えた御手洗経団連は、こうした路線をさらに鮮明に打ち出すとともに、今年元旦に発表した今後10年間の目標を掲げた「希望の国 日本」(御手洗ビジョン)の実行に力を注ぐ。(青山博美)

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200705230056a.nwc

 ≪政策立案能力磨く≫

 「エキサイティングでチャレンジングな1年だった。会長就任当初から、日本経団連は“政策集団たれ”との意向を強調してきた。そのために、この1年は政策立案能力を磨いてきた。政府や与野党、地方との意見交換も積極的に行ってきた。これらをベースに、2年目は政策提言やビジョン実現に向けた実行面を強化する。実行の年にしたい」

 日本経団連の御手洗会長は、21日の定例記者会見で1年目の活動をこう総括した。

 御手洗会長は、昨年9月の安倍晋三政権の発足に伴い、同年10月に内閣府の経済財政諮問会議の議員に就任。また、同年11月には安倍首相に同行してベトナムに130人規模の使節団を、今年のゴールデンウイーク(GW)には180人規模の使節団を率いて中東5カ国を歴訪した。

 このような官民一体となった経済ミッションは、欧米では一般的に行われており、近年はアジア諸国でも経済ミッションが増えている。特に中東には欧米をはじめインドや中国までもが官民挙げた経済ミッションを派遣し、幅の広い経済交流とともに石油などの資源の安定確保などを支援している。

 経済ミッションの派遣で出遅れ気味だった日本も、安倍政権と御手洗経団連の発足で、一足飛びに官民一体外交を随時行える環境を整えたといえそうだ。「今後の経団連の経済ミッションは、毎回こうした官民一体で行われる可能性もある」(経団連関係者)との観測もささやかれる。

 もちろん、経済ミッションの効果をどのように発揮させていくのかは今後の大きな課題でもある。

 御手洗経団連は経済ミッションに加え、政策集団としてこの1年間に66本の政策提言を行っている。この数は「1年目にしてはかなり多い」(経団連関係者)。

 これらの提言の中には、税制改正などのように実際の政策に反映されたものもある。

 その半面、一部事務職を残業時の割増賃金の支払い対象から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の導入を強く求めていたにもかかわらず、「残業代ゼロ制度」との批判を浴び、法案の国会提出が見送られた。御手洗会長は「かなり説明不足だった」と振り返った。

 ≪これからが本番≫

 しかし、政策提言活動についてはむしろこれからが本番。「1年目はやはり体制整備と準備に追われた感がある。『希望の国 日本』と題する長期ビジョンの実現に向けた取り組みもまさに緒に就いたばかりだ」(経団連関係者)との声があがっている。

 この御手洗ビジョンは、今後5年間で重点的に取り組むべき課題と、今後10年間の課題を提示している。宇宙開発や次世代海洋調査などの戦略重点科学技術をナショナルプロジェクトとして推進することや、長期的な基礎研究を進めるための環境整備、さらに新技術の創出支援を提唱。これら施策によりイノベーション(技術革新)や生産性向上を通じた経済成長を志向する。

 御手洗会長は「1、2年で実現できるものはないが、その実現に向けてさまざまな努力を続けたい」という。政界とのパイプは、その一助となる。また、ビジョンの実現に向けて他の政策集団との連携も課題となる。

 日本を代表するもう一つの経済団体である経済同友会の桜井正光代表幹事は、「(御手洗氏は)経済、社会の発展のためにがんばっていると思う」と評価した。そのうえで、「これからは、必要と考えられる案件についてお互いに意見を交換し、協調できることは連携して取り組みたい」と日本経団連との連携に前向きな姿勢をみせている。

 すでに、地球環境問題への取り組みなどでは、日本経団連と経済同友会の提言に差異はほとんどなくなっている。分野によっては、連携の素地は整っているといえそうだ。

 「1年目で方向性を示すことができたと思う。2年目は実行面で成果があげられるよう努めたい」と抱負を語る御手洗会長。日本を“希望の国”に導けるのかは、その実行力にかかっている。

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0残業代ゼロについての報道

 法案提出を見送ったのは名前が悪かったから――。一定条件の社員を労働時間規制から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション」を巡り、導入を推進してきた経済界でそんな「敗因分析」が広まっている。「高度専門職年俸制」(経済同友会の北城恪太郎代表幹事)といった名称変更案も出てきた。政府内には機を改めて法案提出を探る動きもあり、労組側は「残業代がゼロになる本質をごまかすもの」(連合幹部)と反発している。

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