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男女差別と労働力買い叩き~ジェンダーの視点から

5月19日、ドーンセンターで、WWN(ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク=働く女性のネットワーク)主宰で弁護士の中野麻美さんを招き「労働ダンピング・ジェンダー視点からのアプローチ」学習会がありました。ジェンダーの視点から、最近の労働者の惨状について考えようと言うものです。

http://www.janjan.jp/living/0705/0705195765/1.php

 中野さんは、とくに女性の労働裁判で活躍されています。以下、「 」内は中野さんのお話の概要です。

 「ワーキングプアがマスコミでも取り上げられています。朝日新聞やNHKがとくに熱心です。このこと自体はよいことです」としながらも、「これを打開する方法が人々に見えてこないと危ない。中間層の人たちが、まあ、この人たちよりは、あの人たちよりは良いか、ということになってしまうことにもなりかねない」と警鐘を鳴らしました。

 そして、「OECDも、日本の格差社会について、憂慮するレポートを出している。あまり、格差が広がるとグローバリズムの障害になるということだ。日本ではそのことしか伝えられていない。しかしよく読むと、正規雇用に対する保護を非正規並みに緩和しろと言うことだ」とし、「格差是正」が、経営者、グローバリズムに都合よく利用されていることを明らかにしました。

 そして、「八代尚宏さんら(政府の審議会幹部)は、正規雇用を『弾力化』と称して、条件を切り下げることで、格差を『是正』するとしている」ということです。そして、その問題の根源を労働法制、とくに1986年の男女雇用機会均等法にさかのぼって明快に解き明かしました。

 「一見、男女は均等法により平等になったように見えた。しかし、募集区分による差別が残った。つまり、女性だから労働条件が悪い、ではなく、募集区分がこれこれだから、賃金が低い、ということが正当化された」

 「このとき、残業規制が女性にだけあったが撤廃された。男性にだけ残業規制がないのは、男性差別と本来捉えるべきだった。労働時間規制とは『労働からの自由』のはずだった。それが、逆に『どれだけ働けるか』ということにあべこべに捉えられてしまい、女性も男性並みに働けるという話になってしまった。そしてそれが、その後の裁量労働制とかホワイトカラーエグゼンプションの話になっている」

 「この年、年金法改正で三号被保険者が登場した。結局、それは、低賃金のパートのあり方を容認することになった。男=仕事、女=仕事+家庭と言う形で新たな形で性別役割分業は強化された」「『家庭と仕事の両立』と言う言葉が悪用されてしまった。これに便乗して低賃金の女性労働が温存された」とし、1986年の時点での「ボタンの掛け違え」が後々に災厄を及ぼしていることが、非常にリアルに捉えることができました。

 そして、この年には労働者派遣が一部で解禁された。このことについては「労働の場に商取引の観念を持ち込んだ。そもそも、労働法は競争を制限するものです。なぜなら、労働者は生活のために働かないといけないから弱い立場ですから。そこで競争を制限する。ところが、労働者派遣における派遣元と派遣先では違ってくる。派遣元が、何円以下では派遣しないと言うことで団結したら、これは、談合やカルテルになり違法になる。だから、競争促進的になる」とし、今の労働者かいたたきの背景が分かりました。

 そして、「そういう中で、実は、男女雇用機会均等法は派遣元と派遣先では適用されてこなかった。男性については暗黙のうちに家庭を養う責任があるから高く、女性は安くということが横行した」とし、男女差別が、ここでも温存、拡大されたということを説明しました。「女性は家では『誰のお陰でメシが食えているんだ』と夫に怒られ、会社では『お父さんに食べさせもらっているんだから』と賃金を抑えられる」という惨状です。

 憲法との関係では、「安倍総理は、こうした中で、憲法改正などを進め、思想により、人々を統合しようとしている。一方、私たちは、生活を援助するサービスに財政を投入して、人々が連帯していくようにすることをしめしていくべきです」ということ。「もちろん、労働だけでなく、商法などが変わって、それが労働にも影響を及ぼしている。全体としてみていかないといけない」「**反対、というだけでなく、こういう社会にしていく、ということをしないといけない」と。

 また、「労働組合の学習会などが深まらない。これは忙しいせいもある。本当はもっと勉強しないといけないのに時間もない。ホワイトカラーエグゼンプションでもっと忙しくなったら、労働者の代表は国会ではもっと減る」と貧困と政治のネオコン化の悪循環の可能性について警鐘を鳴らしました。

 参加者からは「パートへの切り替えが進む中で、正社員への風当たりも強くなっている。凄まじいいじめで、会社を相手に訴訟を起こした」と正社員の女性からの涙ながらの報告。「兼松でも訴訟を起こしている。判決を待っている状況だ」などの報告がありました。

 今回、参加して、グローバリズムとジェンダー問題、貧困問題の関係などが、頭の中が整理されて良かったと思いました。「格差是正」とか、「仕事と家庭の両立」などのフレーズも「えらい人」に悪用されかねない危険も学び有意義でした。今後とも、私の信条である「くいっぱぐれない国」の実現へ向け邁進したいと思います。

(さとうしゅういち)

中野弁護士と話に真剣に聞き入る参加者

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0残業代ゼロ情報

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