労基法改正案 長時間労働解消の契機に
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/02/10/2007021008225192004.html
労基法改正案 長時間労働解消の契機に
政府、与党は今国会に提出予定の労働基準法改正案のうち、ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間の規制除外制度)の導入を見送り、残業代の割増率の引き上げだけを盛り込むことにした。
統一地方選と参院選を控えて、過労死や少子化の一因とされる長時間労働解消に向けた取り組みを国民にアピールする狙いがあるとみられる。しかし、そうした政治判断を差し引いても、これを機に働き過ぎの実態を変えていかなければならない。
厚生労働省は当初、年収が一定水準を超える一部会社員を一日八時間、週四十時間の労働規制から外す制度と、残業代の割増率引き上げをセットにするつもりだった。だが規制除外制度は「残業代ゼロ制度だ」「際限のない長時間労働を招く」と労組から批判を浴びた。与党内からも「サラリーマンを敵に回してしまう」との慎重論が出、安倍晋三首相は見送りを決定した。当然の判断だろう。
法改正は残業代の割増率引き上げが先行する。内容は現行25%以上になっている残業代の割増率を段階的に上げ、月八十時間を超える場合は50%とするよう義務付ける。ただし、中小企業に対しては激変緩和措置として三年間適用を猶予、その後、再検討することにしている。
残業代が割高になれば経営者は人件費削減のため従業員に早期帰宅を促すだろう。過労死、過労自殺、長時間労働の減少につなげたい。サービス残業の解消も重要で罰則強化、労働基準監督署の指導強化も求められる。働き方を変えワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を実現するには政府、経営者、働く人たちが一体となった息の長い取り組みが欠かせない。
(2007年2月10日掲載)