お粗末“残業代ゼロ”法案 働き方、本音語らぬ労使
http://www.sankei.co.jp/keizai/kseisaku/070202/ksk070202000.htm
1年にわたって繰り広げられてきた“働き方”をめぐる議論が何ら発展性がないまま取り置きになってしまいそうな気配だ。
一定条件を満たした事務職を1日8時間・週40時間の労働時間規制から除外する自己管理型労働制(日本版ホワイトカラー・エグゼンプション)のことだ。それでも、導入を検討してきた労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)は2日、答申を行うという。
すでにこの案は、「残業代ゼロ」のイメージばかりが先行した結果、政治判断で今国会への法案提出を見送られそうだ。参院選への悪影響を懸念する与党内に慎重論が強いためだ。
しかし、今や働く人の過半数を占める事務職の仕事の成果は、工場労働者とは違い、単純に労働時間では計れない。少子高齢化で労働力人口の減少が見込まれるなかで効率的で意欲の持てる働き方の模索は労使双方の喫緊の課題のはずだ。
まず、経営側に問題があった。なぜ現行の企画業務型裁量労働制(みなし労働時間制)では不十分なのかを説明しなかった。例えば、「裁量労働制では深夜割増賃金が発生するから」といえば、“無駄”な残業代抑制が目的だとわかり、「無駄が生じる職種・業務とは」という議論にも発展させられたはずだ。
労組側も同様。厚労省案は制度適用の前提に「労使合意」を盛り込んだ。休日確保義務の違反企業には刑事罰も科すという。それでも反対せざるを得ない理由は経営側の意向に逆らえない労組が多いからではないのか。
双方が本質的な議論を避け、いたずらに時間を費やしただけで、建前論・入り口論に終始した責任は重い。(福島徳)
(2007/02/02 03:03)