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士農工商の“下”を作って、サラリーマンを分断する国家政策(ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報)

士農工商の“下”を作って、サラリーマンを分断する国家政策(ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報)

http://www.asyura2.com/0610/hihyo4/msg/427.html

HIH 427 2007/1/19 13:25:03

投稿者: 近藤勇

士農工商の“下”を作って、サラリーマンを分断する国家政策

http://amesei.exblog.jp/4579881/

安倍内閣が、今国会での「ホワイトカラー・エグゼンプション」法案の提出を見送りましたね。マスコミにも、「残業代ゼロ法案」と書かれてしまってはさすがに突っ込めなかったのでしょう。

この法案の成立は、「年次改革要望書」の指令事項のひとつに入っていますから、一応ポーズだけでも見せておこうという逃げ道をつくったと思われます。

さて、話題になっているドラマ「ハケンの品格」を見ました。ドラマですからストーリーの進め方には無理がある部分が多かったですが、労働者派遣法が改正されて数年経った現在の派遣業界の状況がなんとなく分かるような作りになってはいます。

このドラマでは、「おごれる正社員は久しからず、今、派遣なしには会社は回らない」というナレーションがタイトル前に入ります。このセリフも今の日本の労働政策をうまく表現しています。

要するに、正社員を派遣に置き換えることは、雇用の流動化政策の一環ですが、これは単に派遣の待遇が正社員以下であるということにとどまらない。給料がなかなか上がらない正社員には、「おまえたちは派遣よりはマシなんだ。リストラされたくなかったら、おとなしく働け」という仕組みになっています。派遣の方にも、「おまえたちは雇用保険と厚生年金がついているんだ、バイトよりもまだまだマシだ」という無言の圧力が掛かるようになっているわけです。

このやり方は、典型的な「分断して統治せよ」(ディヴァイド・アンド・ルール)の手法です。別の言い方をすれば、江戸時代の士農工商制度の下にさらに別の階級を作り出すという政策と一緒です。ドラマの中では、3ヶ月しか同じ会社で勤務しない派遣社員は「ハケンさん」と呼ばれます。名前も覚えてもらえない。

正社員は、派遣に対する特権意識をむき出しにして、「おい、派遣、焼きそばパン買ってこい」という業務外の命令を出す。実際の会社現場で派遣社員がこのような被差別民のような扱いを受けているのかは知りませんが、とりあえず、次々に新しい派遣社員が入ってくることで、苛烈な強壮の中に置かれていることは確かでしょう。派遣社員というのは、「テンポラリースタッフ」の和訳ですが、以前は働く側も「テンポラリー」の意識だったのが、今では働く側は永久派遣スタッフ、会社側には一時的な調整弁という意識ができあがってしまいました。これは労働者派遣法の本来の立法趣旨からは外れている。

法律なんてものは、一回できてしまえば、本来の意図とは別に暴走する。私が護憲派に鞍替えしたのは、「歯止めをかける改憲をやるよりも、アメリカ様が与えてくださった憲法をたてにアメリカに嫌がらせをする方が日本にとってオトクだ」という判断をしたからです。

派遣、正社員、アルバイトと階級別に分断されていますから、労働組合をつくって団結することも出来ない。今の自分の待遇を維持するだけが精一杯というわけです。ドラマの主役をしている、篠原涼子のような有能なスキルを持つ人間が派遣社員をやっているというドラマの設定そのものに無理があるし、手取りで時給3000円というのもかなり待遇が良い方でしょう。(実際は口入れ屋に中抜きされていますから、時給は本当は5000円位なのでしょうが)

一方で、派遣社員はアフターファイブで自由に自己実現を図っているという風にドラマでは描かれます。(主役の篠原涼子は、フラメンコをやっているという設定)別の登場人物の派遣社員は、「スキルアップの学校」について話していましたから、派遣社員は自腹を切って、夜も学校に通っているという例もあるようです。(この番組の提供は、「進研ゼミ」の福武書店系の人材派遣会社Humanが入っていますが、この会社は学習塾もやっていますから、派遣のスキル教育もセットで行っているということですね。ちなみにドラマのシナリオ作りにはリクルートが協力しているようです)(間違いを訂正)

また、第1話では次のようなストーリーが展開されたそうです。


主任が「罰として今日はサービス残業をしてもらいます」という発言があり、派遣役の加藤あいが「はい」と、罰としてサービス残業を受け入れるのが当然の如く笑顔で返事をするシーンがあった。 しかし、本来ならば罰則を与える事も、上司がサービス残業を指示する事も 違 法 である。 罰則としてサービス残業をする事が当然なシチュエーションを作り出し、まるでこれらが『当たり前』のように思わせる印象操作をしている。 あまりに馬鹿馬鹿しいコメディドラマと見せかけて、こういう狡猾な印象操作を潜ませている、とんでもない番組だ。

また、派遣に対して「面接ではなく面談ですよ」と言うシーンがあったが、これも同様である。 面談という言葉を使えばまるでそれが当然であるかのように思わせ、違法行為ではないかのように扱っている。 この番組は違法を『当たり前』にしようという、派遣会社の思惑が強く絡んでいる。(2ちゃんねるの「ハケンの品格」板より。実際に「面接制度」については容認の方向に進んでいるとの日経の報道あり)


<労働者を分断統治せよ!>

派遣社員という形態が、ここ数年増加の勢いを増しているのは、平成11年(1998年、今から8年前)に成立した「改正派遣業法」という法律がきっかけです。

1986年7月1日:労働者派遣法施行

1999年12月1日:労働者派遣法改正(派遣業種の拡大)

2004年3月1日:労働者派遣法改正(物の製造業務の派遣解禁、紹介予定派遣の法制化など)

2006年3月1日:労働者派遣法改正(派遣受入期間の延長、派遣労働者の衛生や労働保険等への配慮)

この派遣業法では、派遣労働を一時的・臨時的な労働力需給システムとして、社会的に位置づけ、有料の職業紹介事業を広く民間に解禁しております。ここから日本における雇用の流動化が始まったわけですね。アメリカにおいて、日本の終身雇用制を研究したのが、ハーヴァード大学の日本研究家のアンドリュー・ゴードンを始めとするジャパノロジストです。ゴードンの研究を、利用したアメリカ財界と、デフレ不況に陥っていた、日本の財界(経団連、経済同友会)が、派遣業法の緩和を要求し始めたわけです。雇用の流動化(リクイデーション)というのは、その名の通り流動化すること。流動化というのは、固定化されたものから一部を分離して、直ちに処分できるものと捉える考え方。流動性というのは、「すぐに処分できる現金」という意味であることを考えればイメージが出来るでしょう。労働組合によって、団結してきた労働者たちは、このように固定要員と流動要員に分割されてしまいました。

派遣業法を巡っては、自民党の坂井隆憲元衆院議員が派遣業界から一億円以上のヤミ献金を受け取っていた問題が2002年に発覚しましたが、派遣を利用する大企業はあまりにも多いために、2004年には製造業にも派遣解禁が行われました。

<ホワイトカラー・エグゼンプション法案と三角合併>

アメリカが、ホワイトカラー・エグゼンプションと「三角合併の解禁」を同時に要求している背景には何があるのか。これを私の知り合いは、「これは要するに町村合併した議員をどうやって減らすかという問題と一緒だ」とコメントしていましたが、なるほど。三角合併で、外資が日本企業を呑み込むと、本社の与える予算に応じて人件費を切りつめなければならない。合併をすれば、単純に人員が二倍に増える。合併目的がコスト削減と生産性の強化であるならば、人件費を切りつめる必要がある。そこで残業代ゼロ法案が登場するわけです。

しかし、この法案、アメリカでもうまくいっていないようですが、日本の場合にはもっと別の問題があります。私の知り合いの発言。


「あの法案は間違いなく憲法違反になる。税金が収入別に違うのは問題がない。憲法で義務づけられているから。しかし、ホワイトカラー法案は、憲法14条に違反している。成立させたら、労働審判に訴える奴がいるかもしれないが、労働審判は裁判所に行く前に2審あるから、最高裁までは実質5審制。サラリーマンが裁判なんかやっている暇はないと見越して法案を作っているのだろう」


憲法14条は、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない 」となっております。この場合、正社員と派遣社員の待遇の違いはそもそも違う会社の契約なので問題はないのですが、同じ社会的身分である正社員の間の待遇の差を作り出す、ホワイトカラー法案は憲法違反となる、というわけです。(この14条は、現行、自民党改憲案ともに一緒です。)憲法改正問題は9条だけがクローズアップされますが、どこに「公共の福祉」規定を入れるか、など他にも重要なポイントがあります。

ホワイトカラー法案が先送りになることで、三角合併された企業では、派遣社員がさらに活用されることになるでしょう。一方、正社員も成果主義で評価しますから、過労死の可能性は増します。過労死については、宮内義彦と一緒に、規制緩和委員会の委員を進めていた派遣会社社長の奥谷禮子氏(ザ・アール社長)が「過労死は自己責任」「365日祝日もいっさいなくすべき」という発言をしたことがネット上で問題になっております。他にも「正社員の待遇を派遣並にすべきだ」という意見を表明した、ICU(国際基督教大学)の八代尚宏教授が下ります。

宮内義彦・奥谷禮子・八代尚宏の三人は「労働者飼い殺しトリオ」というべき、アメリカ財界の回し者でしょう。

アメリカ型のコーポレート・ガヴァナンス(株主主義・経営者の高給制度の導入、社外取締役制度の普及による財界全体の団結)を宮内氏が普及させ、八代氏がこれを“学問的に”理論付け、奥谷氏が労働者をダンピングして雇う「口入れ屋」を行うという具合に。

労働組合よ、立ち上がれ!というメッセージは、保守・革新問わずに抱く感情ではないかと思います。組合は左翼集団というのは古い見方でしょう。。

安倍内閣の欧州訪問について、外交顧問の岡崎さんと古森さんがコメントしておりますが、これはまた次回に。脳梗塞の平沼赳夫氏は、一種の「憤死」かもしれませんね。今回の選挙では私は国民新党か共産党にいれることになるでしょう。

===

※ ハケンの品格のHP内に次のような断り書きが。

「※ 番組とサイト内のバナー広告の関連性は一切ございません」

って、バナー広告全部派遣会社じゃんか。申し訳程度に「派遣とは?」というQ&Aコーナーが開設されていますね。そうとうクレームが来たのでしょうか?ドラマサイトのBBSは派遣業界のリサーチ目的で開設されていると思われます。アメとムチで。

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